包括的核実験禁止条約(Comprehensive Nuclear Test-Ban-Treaty;CTBT)とは、宇宙空間、大気圏内、水中、地下を含むあらゆる空間における核兵器の実験的爆発及び他の核爆発を禁止し、かつ条約の遵守を検証するために国際機関(CTBT機関)を設置し、核実験を探知・検証するために必要な検証手段(国際監視制度(International Monitoring System; IMS)、現地査察(On-Site Inspection;OSI)、協議及び説明(Consultation and Clarification;C&C)、信頼の醸成についての措置(Confidence Building Measures;CBM))を設けた核軍縮・核不拡散条約です。同条約は1996年9月、国連総会において採択されました。
核兵器の開発或いは改良を行うためには、核実験の実施が必要になると言われております。そのため、核実験を禁止することが核軍縮・核不拡散を進める上で重要となります。これまでにも、例えば1963年に締結された部分的核実験禁止条約(Pertial Test-Ban-Treaty;PTBT)のように、核実験禁止のための国際的な取り組みは行われてきました。しかし、PTBTは地下核実験を禁止対象とせず、また約束の遵守を検証するための措置(検証手段)を設けなかったという問題がありました。
1996年の署名開放から15年以上が経過した今日において、CTBTは署名国数182、批准国数154を数えるに至っていますが(最新の批准国は、2011年6月のガーナ)、CTBTには特異な発効要件が定められており、特定の44ヶ国すべての批准が必要とされています。現在も米国、中国、インドネシア、エジプト、イラン、イスラエルが未批准であり、またインド、パキスタン、北朝鮮が未署名・未批准のため、未だ条約が発効しておりません。
しかし、2006年の北朝鮮の核実験実施後に新たに9ヶ国がCTBTを批准するなど、依然国際社会のCTBTに対する関心や期待は高く、また1998年に核実験を行ったインドやパキスタンも、その後核実験のモラトリアムを宣言し続けていることなどを踏まえれば、CTBTが核実験禁止に対する国際規範の形成に重要な役割を負っていることは間違いないと考えて良いでしょう。












