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研究報告書|研究成果

「『核兵器のない世界』に向けた課題の再検討」研究会報告書

−平成22年度外務省委託研究−

2009年4月のプラハ演説以降、オバマ政権は、核軍縮及び不拡散の分野で強力なイニシァティブを発揮してきた。核不拡散・核軍縮に関する国連安全保障理事会首脳会合の開催、新START条約の交渉及び署名、核セキュリティ・サミットの開催のほか、核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議などの場を通じて、米国は、核軍縮、核不拡散、原子力平和利用、核セキュリティに関する多くの措置の合意を主導してきた。また米国は、核軍縮という目標を、現実の安全保障政策のなかでどのように実現していくかという問題に関しても、ミサイル防衛計画見直し(BMDR)、核態勢見直し(NPR)、4年期国防見直し(QDR)などの一連の政策文書を刷新して、核兵器の役割低減を含む具体的な方針を打ち出するにいたっている。

もとより、核軍縮・不拡散を外交政策の一つの柱に据えるとともに、原子力の平和利用を推進してきたわが国にとって、このような動きは歓迎すべきものであり、日本政府は、オバマ大統領訪日時の「『核兵器のない世界』に向けた日米共同ステートメント」などの形で米国のイニシァティブを支持する立場を表明している。とはいえ、我が国周辺の安全保障環境と「核の傘」を含む米国の拡大抑止、原子力市場における 競争の激化と原子力協力の推進、中東・南アジア政策との兼ね合いなどをふまえれば、日米それぞれの外交・安全保障・経済政策上の利害は異なりうるし、これらとグローバルな規範が、常に問題なく両立するとは限らない。我が国としては、これらの間に可能な限りバランス維持されるような形で『核兵器のない世界』に関連する様々な措置を打ち出していく必要がある。

そこで、本調査研究では、わが国としてとるべき外交政策の策定に寄与することを念頭に置きながら、新たな局面を迎えつつある『核兵器のない世界』構想に向けた課題を再検討し、日本外交が取り得る選択肢を分析し、今後の日本の取り得るイニシアティブについて検討した。  本報告書が今後のわが国の軍縮・不拡散政策および安全保障政策に少しでも貢献できれば幸いである。

財団法人 日本国際問題研究所
軍縮・不拡散促進センター
所長 阿部 信泰

「『核兵器のない世界』に向けた課題の再検討」研究会報告書(一括ファイル) (3,551KB)
表紙 (24KB)
はしがき (106KB)
第1章 2010年運用検討会議の検証 (189KB)
第2章 核軍縮と東アジアの安全保障 (301KB)
第3章 中国と核軍縮 (274KB)
第4章 中東非大量破壊兵器地帯 −2012年の中東会議に向けて− (245KB)
第5章 南アジアにおける核拡散問題 (266KB)
第6章 原子力平和利用 核燃料サイクルの多国間管理構想 (252KB)
第7章 3Sの世界的推進の方途 (486KB)
第8章 日本として取るイニシアティブ (1,243KB)
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